ラック

ラック

地面に転がっているボールを、両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合って奪い合う状態をラックと言います。ラックもモールと同様に、いったん組まれたラックを崩したり、ラックの上に飛びかかるようなかたちで参加してはいけません。

ラックの成立条件(地上のボール+敵、味方)

ラックの成立条件(ボールキャリアー+敵、味方) ラックはタックル直後を含めた地上にあるボールに対し、敵、味方各1名以上が身体を密着させたときに成立します。

ラック時の注意

ラック時の注意 下がらない 
ラックに参加していないプレーヤーは、速やかにオフサイドラインの後方に下がらなければなりません。
(オフサイド→PK)

ラック時の注意 正しくないバインド 
ラックに参加しているプレーヤーは味方にバインドしなければならず、単に手をかけるだけではバインドしているとはいえません。
(オフサイドまたはノーバインド→PK)

ラックにおける主な反則

ラックにおける主な反則 倒れる 
ラックの中ではプレーヤーは常に立っていなければなりません。ボールの上に、またはボールを越えて倒れ込めばペナルティとなります。
(倒れ込みまたはオーバーザトップ→PK)

ラックにおける主な反則 手を使う 
ラックの中にあるボールは手で扱ってはいけません。手を使ってボールを扱えばペナルティとなります。
(ハンド→PK)

モール(またはラック)のオフサイドについて

モール(またはラック)のオフサイドについて

モール(またはラック)が形成されたら、双方のチームにそれぞれ1本ずつ、計2本のオフサイドラインが形成されます。
 モール(またはラック)に参加していないプレーヤー(主にBK)または離脱してしまったプレーヤー(主にFW)は、プレーに参加せずただちにオフサイドラインの後方に下がれば罰せられません。
 モール(またはラック)に新たに参加するプレーヤーは、オフサイドラインの後方から、かつ最後尾のプレーヤーに並んで参加しなければなりません。たとえオフサイドラインの後方からでも、味方プレーヤーの前方に参加すればオフサイドとしてペナルティとなります。オフサイドラインが解消されるのはモール(またはラック)の終了時となります。

停止からスクラムへの移行

モール

@開始時にボールをもっていなかった側
A停止直前に前進していた側
B停止時に敵陣にいる側

ラック

@停止直前に前進していた側
Aラックの形成時に前進していた側
B停止時に敵陣にいる側

メモ
  モール、ラックとも終了するのはボールまたはボールキャリアーがモールまたはラックを「離れた(leave)」ときとなります。決してSHがモールやラックの中のボールに触ったときではありません。
 よくラックの最中にボールがプレーヤーの間にはさまり、、SHがそのボールを出そうと奮闘している場合がありますが、SHがそのボールを手で触ったからといってオフサイドラインが解消されるわけではないのです。
 「競技規則」には以下のようにありませす。
「レフリーはスクラムを命じる前に、ボールがラックから出るのに適当な時間の余裕を見なければならない。特にいずれかのチームが前進している場合には大切である。ラックが停止したり、ボールが適当な時間内にラックから出ないとレフリーが判断した場合には、スクラムを命じなければならない」
 特にここでのボールが「出る」は英文で「emerge」であり「抜けだす」「助け出す」といった意味。ラックの終了間際にSHがボールに触っているのはまさにパスアウトをするためにボールを救出しているのであり、レフリーはそのための「適当な時間の余裕」をみているのです。